我が家愛用の3Dプリンタは、Anycubic製のi3 megaです。
もう(たぶん)4年近く使用していることもあり、色々な不調が起こるものです。機械ですからね。
ここ最近、頭を悩ませている問題として、造形物がスカスカになってしまう現象が発生してしまいます。

これは困りました。ということで、解消に向けて頑張っていきます。
原因調査
私自身、特別詳しいわけでもないため、原因を特定するまでに、時間を要しました。
というか、なんだかわからなくてやる気をなくていました。
そんなトラブルでも対応できるように、知識を深めるために記録を残しておくことは有意義です。
備忘録の意味合いも込めて。
ちなみに、何が原因だったかの答えは、見出しに書いておきます。
余計な話を飛ばしたい場合はそちらをご参照できます(ちょっと長くなったので)。
素材が悪い説(はずれ)
本事象は、大型造形物を分割して出力している途中で発生しました。
途中まで出力して、フィラメント(3Dプリンタの素材)がなくなってしまったので、新しいフィラメントを購入した後から、スカスカ現象に見舞われることになります。
ちょうどそのタイミングだったこともあり、真っ先に”素材が悪い”という方向で考えていました。
具体的には、”吸湿”しているのではないかということです。
フィラメントは一般的に湿気に強くないことが知られており、吸湿したフィラメントを使用した際には、定着不良や層間強度の低下、糸引きの増加等の様々な不調に至ると言われています。
(後日談:今回の事象にはあまりマッチしないんですけどね・・・)
基本的に、新品のフィラメントは、真空パック状態(?)で梱包されているので、吸湿することはないと思われますが、タイミングがあまりにもピンポイントだったため、まぁ、そうなんだろう程度に考えていました。

吸湿してしまったフィラメントはもう全盛期の姿を取り戻せないのかというと、そうではありません。
吸湿したなら、除湿しろ(パワー)。ということです。
そんなときの味方として、フィラメント専用の除湿器なんてものもあるんです。

と、いうことで加熱してもう一回やってみましたが、解消しませんでした・・・。
吸湿は原因ではなかったということになります。
(よく考えればわかることなんですけどね)
素材の個体差説(はずれ)
フィラメントを新しくしてからの不調ということで、素材が悪いという説はまだ消えていません。
今まで大丈夫だったのに、フィラメントを変えた途端に発生しているということは重要な手がかり。
吸湿といった個人で解決できる問題ではなく、素材に”なんらかの”不調があるのではないかと考え、とりあえず、同じフィラメントをもう一つ買ってみました。
新たに買ったもので調子が良ければ、”不幸な個体差”ということです。簡単ですね。
しかし。
もはや語ることはありませんので、結論を述べると、新たに買ったものでも解消しませんでした。
ということで、原因は素材にはないということですね。簡単です(白目)。
設定が悪い説(はずれ)
3Dプリンタは、3DCAD等で作成した3Dデータを出力する装置です。
ですが、3Dデータを用意したあと、3Dプリンタで出力する用のデータを作成する必要があります。
それが、”スライサ”と呼ばれるソフトで、端的には3Dプリンタが積層する層ごとに3Dデータを分割、文字通りスライスするソフトです。



こんな感じです。
このスライスデータを作る際に、色々設定するわけです。層の厚さは何mmにするかとか、出力のスピードはどれくらいか、とか。
そういった設定がおかしくないかということを疑っているわけです。
今回の事象に当てはめて、ありえそうなところといえば、流量でしょうか。少なすぎてスカスカというわけです。
あとは出力スピードが速すぎるて、うまく定着してくれなくて、結果的にスカスカになるとか・・・。
設定を確認しましたが、おかしなところは見当たらず。
一応、すごく流量を増やしたり、すごくゆっっっくり出力したりを試してみましたが、あまり好転はしませんでした。
ゆっくり出力をすると、雰囲気いい感じにはなりましたが、それでも正常には程遠い。
ゆっくり出力すると、当然ながら時間がかかってしまうので、許容範囲があります。仮にスピードが原因だったとしても、解決は別でしたい。そんなところです。
まぁ、違ったんですけど。
本体が悪い説(あたり)
素材、ソフトが正常であるときたら、残された原因はハードだけですね。
あまり、考えたくはありませんが、本体が不調であるということです。
本体に何らかの不調があるということは明白でしたが、うまくいく出力も普通にあったため、特別致命的ではありませんでした。
先に述べた、大型造形物は確定でうまく出力されませんが、それ以外はうまくいくのです。なぜか。
そんなこんなで、調査を先延ばしにしていたある時、家族に頼まれた出力品を作成しているときに、気づきました。
あれ?フィラメントが送られていないぞ?
3Dプリンタは”エクストルーダ”と呼ばれる、送り出し器によって、フィラメントをノズルまで送っています。
エクストルーダにはモータがついていて、それによって、送っているわけです。

出力中であるのに、エクストルーダのモータは問題なく動いているのに、フィラメントは全く動いていなかったということです。つまり、空回りですね。
これが意味するところは、症状が悪化したということです。
おそらく、今までスカスカだと言っていたのは、エクストルーダが”滑っている”状態であったため、規定量送ることができずに、結果としてスカスカだったわけです。
そして、今はまったくもって送られていないということは、そういうことです。
つまり、フィラメントを変えてから発生したのは偶然であって、かつ、滑りやすい素材だったがために、誘発された事象であるということです(そんなのってありかよ)。
これまで、うまくいくケースもあったのは、たまたま滑り度合いや、素材の種類(表面が滑りにくいとか)が嚙み合ってうまくいっていたんだと思われます。
ということで、エクストルーダを見てみましょう。

ギアを見てみると・・・どうやら摩耗していたようです。
フィラメントがあたる位置が摩耗してしまい、ギア山が潰れていました。
これでは、滑ってしまうのも納得ですね。

不調の原因が判明しましたね。
交換部品を購入し、あとは元に戻すだけです。簡単なお仕事。簡単な原因で安心です。
復旧
ということで、部品交換です。
新品のギアはやっぱり潰れてないですね(当たり前)。

交換後の出力は良好です。

普通に考えたら真っ先に疑ってもいいところなんですが、、、やはり知識も経験もない分野なので、こればかりは精進するしかありません。
こんな調子で、経験を積んでいけたらいいなと思うところです。
後日談:気づいてしまったこと
記事作成中に写真を見て気づきました。
ギアの摩耗は間違いないので、交換したことはなんら問題はないのですが、不要な対処だった可能性があります。
どうやら、エクストルーダについているツマミ(?)を回すことで、ギアへの押し付け力を変えられる仕組みだったようです(あの、バネがついていたところ。)。

今確認したところ、おそらくですが、今まで常に一番”緩い”状態で使っていたと思われます。
そのため、少し締めるだけで解消した可能性が十分にあります・・・。
確かにツマミがあったことは認知していましたが、あえて回したりはしていませんでした。
というか、回したとしても、締め付け力が変わるだけで、こちらからそれを判断する術はないので、どのみち分解しないと気づけなかった・・・という感じです。
設備への理解があると、ここまで悩む必要はなかったということですね。知識は武器であることを痛感したところです。



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